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民法改正その1

民法の債権関係の規定は、1896年に制定されましたが、約120年にもわたって、改正されませんでした。したがって、社会・経済の変化に対応できていない内容の規定が生じてきました。

そこで、この度、「民法の一部を改正する法律」を定め、債権法関係については、2020年4月1日から施行されることになったのです。


改正点の一つは、法廷利息(遅延損害金)の条項です(旧民法404条)。

これまでの民法では、法定利息は、年5%でした(旧民法404条)。そして、商事に関する法定利率は、年6%と定められていました(旧商法514条)

そこで、民法上の法定利息は、年3%と定められ、商事法定利率も同様に年3%に定められました。

債務を履行しなかった場合、何も約定がなければ、法定利息年3%を遅延損害金として支払わなければなりません。民法(2020年4月施行)の法定利率は、年3%とされ、3年ごとに見直されます(民法404条2項、3項)。


なぜ、このような改正がされたのでしょうか。

近時、市中金利の引下げがなされ、銀行預金の利息は、年5%を下回っております。この利率は、約120年前に民法が定められた明治時代当時の法定利率であり、当時は、この利率は、合理的と考えられていたのでしょうが、現時点では市中金利を大きく下回っており、法学者の間では「法定利息が高すぎるのではないか」と、合理性を疑う意見も相当強力に叫ばれるようになってきたのです。


今回の民法改正時点では、民事・商事の区別をしないで、年3%の法定利息としたのです。しかし、今後、また高金利になることも考えられますので、3年ごとに見直すことにしたので、今後の市中金利を参考にしながら、また、金利を上げる余地を残し、法定利率を固定しないことにしました。

しかし、今後、法廷利息を上げたり下げたりするときは、 3年ごとに日銀が公表する短期貸付金利の過去5年間の平均が1%以上変動すれば 1%刻みで変動します(民法404条4項、5項)。


しかし、法定利息は、利息制限法に反しない限り、当事者間で約定利息を決めることができ、約定利息を決めたときは、約定利息が優先しますので、町の金融業者からお金を借りるときは、注意する必要があります。もちろん利息制限法を上回る利息は無効となりますので無効な部分で支払った利息は返還を求めることができます。



弁護士法人銀座ファースト法律事務所 弁護士 田中 清


by lawyer-tkg | 2022-03-21 14:40

銀座ファースト法律事務所の弁護士(弁護士田中清、弁護士若林諒、弁護士青木丈介、弁護士土屋賢司、弁護士小谷健太郎)が日々の業務を通じての雑感や法律トピックス等について、自由気ままに綴っていきます。


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