茨木高校校歌
2015年 12月 06日
1912年というと、第1次世界大戦開戦の2年前ですから、歌詞をみると、「本務を尽して 天意にそはん」とか「至誠を致して 国運たすけん」のように軍国主義的な匂いもしないわけではありません。
それでは、その校歌を紹介しましょう。
天つ空見よ 日月も星も
其時違えず その道めぐる
我等も各々 力行やまず
本務を尽して 天意にそはん
世々の跡見よ いづれの国も
つとめておこり おごりて亡ぶ
我等も互に 荒怠いさめ
至誠を致して 国運たすけん
私が高校生のときは、それほど良い歌とは思わず、校歌なので仕方なく歌っていたというのが本音ですが、高校卒業後50年経って、その意味を考えてみると、随分意味の深い歌だったのだと思います。
私は特に2番の歌詞が好きです。
外国では、ローマ帝国、蒙古帝国、ブルボン朝、ハプスブルグ家、ドイツ帝国など強力で誰も倒せないと思った帝国も、そのうち滅んでいきます。
日本でも、摂関時代の最盛期である藤原道長の歌「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたる ことも なしと思へば」の世、「平家にあらずんば人にあらず」の平家全盛時代、鎌倉幕府初期、徳川幕府の初期など、飛ぶ鳥も落とす勢いだったと思います。
しかし、それらもいずれの国も、いつかは滅びていきます。
このことは、企業についても言えます。終戦直後東大生の就職先のベスト3は、石炭会社、造船会社、繊維会社であったと聞きますが現代では、石炭、造船、繊維のいずれもが低迷しています。
あれほど盤石と言われた銀行でさえ、倒産したり、統廃合を繰り返しています。
最近のシャープや東芝のように、一部上場会社でさえ、不祥事によって、足元が揺らぐのです。
正に「つとめておこり おごりて亡ぶ」のです。「我等も互に 荒怠」を「いさめ」なければなりません。
弁護士 田中 清(弁護士法人銀座ファースト法律事務所)