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茨木高校校歌

 私の母校である大阪府立茨木高等学校の校歌は、1912年に多間力蔵が作詞したそうですが、校名・地名が読み込まれていないという意味では稀有な校歌だということです。
 1912年というと、第1次世界大戦開戦の2年前ですから、歌詞をみると、「本務を尽して 天意にそはん」とか「至誠を致して 国運たすけん」のように軍国主義的な匂いもしないわけではありません。
 それでは、その校歌を紹介しましょう。

  天つ空見よ 日月も星も
  其時違えず その道めぐる
  我等も各々 力行やまず
  本務を尽して 天意にそはん

  世々の跡見よ いづれの国も
  つとめておこり おごりて亡ぶ
  我等も互に 荒怠いさめ
  至誠を致して 国運たすけん

 私が高校生のときは、それほど良い歌とは思わず、校歌なので仕方なく歌っていたというのが本音ですが、高校卒業後50年経って、その意味を考えてみると、随分意味の深い歌だったのだと思います。
 私は特に2番の歌詞が好きです。

 外国では、ローマ帝国、蒙古帝国、ブルボン朝、ハプスブルグ家、ドイツ帝国など強力で誰も倒せないと思った帝国も、そのうち滅んでいきます。
 日本でも、摂関時代の最盛期である藤原道長の歌「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたる ことも なしと思へば」の世、「平家にあらずんば人にあらず」の平家全盛時代、鎌倉幕府初期、徳川幕府の初期など、飛ぶ鳥も落とす勢いだったと思います。
 しかし、それらもいずれの国も、いつかは滅びていきます。

 このことは、企業についても言えます。終戦直後東大生の就職先のベスト3は、石炭会社、造船会社、繊維会社であったと聞きますが現代では、石炭、造船、繊維のいずれもが低迷しています。
 あれほど盤石と言われた銀行でさえ、倒産したり、統廃合を繰り返しています。
 最近のシャープや東芝のように、一部上場会社でさえ、不祥事によって、足元が揺らぐのです。
 正に「つとめておこり おごりて亡ぶ」のです。「我等も互に 荒怠」を「いさめ」なければなりません。
 
  弁護士 田中 清(弁護士法人銀座ファースト法律事務所)
by lawyer-tkg | 2015-12-06 17:02

銀座ファースト法律事務所の弁護士(弁護士田中清、弁護士若林諒、弁護士青木丈介、弁護士土屋賢司、弁護士小谷健太郎)が日々の業務を通じての雑感や法律トピックス等について、自由気ままに綴っていきます。


by 銀座ファースト法律事務所