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中坊公平先生を悼む その1

 元日弁連会長、中坊公平先生が、5月3日に亡くなられました。
 私は、司法修習生時代、中坊法律事務所で修習させていただき、その後もずっとお付き合いをさせていただき、公私にわたりお世話になりました。
 私の人生に少なからぬ影響を与えた先生で、心より尊敬をしております。
 既に、内輪(家族)で通夜や告別式を済まされたそうですが、「先生らしいなあ。きっと、奥様に、『わしが死んでも、派手な葬式は要らん。内輪で済ませ』とおっしゃっていたのだろう」と即座に思いました。

 中坊先生が扱われたお仕事は、いろいろありますが、代表的なお仕事を挙げてみたいと思います。
 1つは、森永ヒ素ミルク事件の弁護団長をされたことです。
 被害者宅を1軒1軒訪問し、被害者の方の訴えを聞き、被害者の方々と一緒に涙を流されたそうです。中坊先生にとって、この森永ヒ素ミルク事件は、先生の弁護士人生に大きな糧になったと思います。
 2番目の事件は、香川県土庄町の豊島の産業廃棄物問題で住民側の弁護団長を務め、解決に向け尽力されたことです。
 豊島に行くには2日がかりです。中坊先生は、弁護士業務で多忙な中、何度も何度も豊島を訪問され、住民と一緒に闘われたのです。
 私が弁護士になったとき、中坊先生から「現場は大事や。現場は見なあかん」と言われ、心に沁みました。それから私が依頼を受けた事件で、高知まで出張し、高知大学の先生の話を聞き、その事件は良い方向に解決しましたが、仮に、「高知は遠いから止めとこう」と思って、高知行きを止めていたら、良い方向での解決は無かったと思います。
 それから私は、弁護士は、「足で動かなあかん」を旗印に、現場をできるだけ見るようにしております。
 現場を見ると、今まで机の上だけで想像していたことと大きく違うことが分かります。必ず、新たな発見があるのです。そして、実際に現場を見た事件は、準備書面における主張の迫力が違うことを実感します。
 豊島住民会議の児島晴敏さんは、「我々のことに一生懸命になって親身になってくださった。大変お世話になった人なだけに、式には参列したかった。感謝と誠意を尽くしたい」と話されました。
 私は、近いうちに、中坊先生のお宅を訪問し、心を込めて線香を手向けたいと思っています
 (続く)
 弁護士 田中 清(銀座ファースト法律事務所)
by lawyer-tkg | 2013-05-09 14:47

銀座ファースト法律事務所の弁護士(弁護士田中清、弁護士若林諒、弁護士青木丈介、弁護士土屋賢司、弁護士小谷健太郎)が日々の業務を通じての雑感や法律トピックス等について、自由気ままに綴っていきます。


by 銀座ファースト法律事務所